楽曲情報
Mrs. GREEN APPLE『ライラック』
作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
編曲:久保田真悟(Jazzin’park)・大森元貴
2024年4月12日リリース。
アニメ『忘却バッテリー』オープニングテーマ。第66回日本レコード大賞で大賞受賞。
プチ楽曲分析
ワンコーラス、セクションごとに聴いていきます。
イントロ
キーはB♭メジャー。
何と言ってもテクニカルなエレキギターのリフが印象的ですが、よく聞くとギターの音は加工したような部分があったり、それ以外にも効果音が入っていたりと、緻密な感じがします。
コードについては「Gm→Dm→E♭→B♭」が基本になっていて、ダイアトニックでいうと6341進行となります。Aメロに入る1小節前は「F#→F」と変化し、B♭メジャーでは出てこないF#のコードが特徴的。
最後のFのコードはB♭メジャーのⅤの和音:ドミナントで、次のセクション(Aメロ)のⅠの和音:トニックであるB♭のコードに自然に繋がりますが、そのFのコードへの繋ぎとして#ⅤであるF#のコードが使われているということになります。
「#Ⅴ→Ⅴ」という使い方は色々な楽曲で登場しますね。
Aメロ
前半はキックの4つ打ち、主にコードチェンジの部分で楽器が鳴る形です。後半はエレキギターのブリッジミュートの刻みとアルペジオ、ベースも入ってきて豊かなサウンドになります。
イントロの静かな部分も色々な音が入っていましたが、Aメロ前半も同じような印象です。「テクい」感じが出ていますね。前半と後半を繋ぐ、モジュレーション系エフェクトがかかったギターのような音も面白いです。
コードについては1,2小節目の「B♭→Cm→Dm→E♭→F→B♭」が、ダイアトニックでいう「1→2→3→4→5→1」でシンプルな上行系となっていて特徴的です。Aメロの前半と後半を繋ぐ部分には、イントロにもあったF#→Fの動きが再登場します。
Bメロ直前のフィルは3連符のフレーズとなっていて、場面が展開する感じが出ていますね。
Bメロ
ここでGメジャーに転調していて、さらに展開感が強まっています。Aメロ最後にトニックB♭からBdimへと繋がり、BメロはGメジャーのⅣの和音:サブドミナントのCのコードから始まります。厳密にはオンコードのG/Cのような響きですね。
Aメロは2,4拍目にスネアが入っていましたが、ここでは3拍目に入っていて、Bメロでよくあるハーフテンポです。ただ、ギターがブリッジミュートの刻みとコードストロークを交互に2回繰り返すのが特徴的かもしれません。
その後もギターのブリッジミュートでサビへの助走を感じつつ、コードもⅣmの和音:サブドミナントマイナーのCmをきっかけに再びの転調へ盛り上がっていきます。
サビ直前のフィルは効果音的なサウンドで、単純なバンドサウンド以上に凝っている感じが節々から伝わってきます。
サビ
ここでB♭メジャーに戻ります。Bメロ最後のコードの動きから繋げると「G♭→A♭→B♭(サビ頭)」となり、サビ頭のコードは開けた雰囲気を感じると思います。
細かく見ると、通常「G♭→A♭→」と来たらマイナーコードのB♭mが鳴るのが自然(D♭メジャーのキーでいう「Ⅳ→Ⅴ→Ⅵm」)なところを、メジャーキーにしているからとも捉えられます。ちなみに「Ⅳ→Ⅴ→Ⅵm」の動きは、この曲のサビでも後半9小節目からの部分で「E♭→F→Gm」として登場しています。
コード進行で言うとあまり難しいことはやっていないように聞こえて、実は細かい部分でグッとくる要素が感じられます。例えば3,4小節目の「Gm→C7/E→Cm」の動きや、6~8小節目の「F→F#dim→Gm→F→C7/E」の動きは歌詞とも合わさってエモさがある気がします。
ノンダイアトニックコードのC7/E(Ⅱ7/#Ⅳ)はひとつのキーになっている印象ですね。
サビが4小節でひとかたまりとして、1周目のB♭コードはサビの開始の安定感があるのに対して、2周目5小節目はベースがDの音を中心に弾いていて「B♭/D」のようになっているのも、細かいですがポイントかもしれません。
最後に
Mr. GREEN APPLE『ライラック』をワンコーラス、細かく聴いていきました。
同バンドの『青と夏』のアンサーソングということですが、サウンド感が6年前と大きく違いますね。
もちろん流行のサウンド、時代感などもありますが、あえて比較するとしたらBPMが遅めだったり、ギターやベースの音作りで低域が豊富になっていたり、そしてピアノやストリングスが特に高域について控え目になっていたりと全体的にいい意味で落ち着いた感じになった印象です。細かい部分も凝っていましたね。
『青と夏』から感じる「若さ・疾走感」も、『ライラック』の「大人の青春感」のようなものも、それぞれ違った魅力に感じました!
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