プチ楽曲分析

【プチ楽曲分析】FRUITS ZIPPER『好き、お願い』

楽曲情報

FRUITS ZIPPER『好き、お願い』

作詞:ヤマモトショウ
作曲:youth case
編曲:佐々木博史

2025年2月12日リリース。

ABEMA『恋する♥週末ホームステイ 2024冬』オープニングテーマ。

プチ楽曲分析

ワンコーラス、セクションごとに聴いていきます。

イントロ

キーはBメジャー。

EM7をリバースさせた音からスタート。「EM7→F#→B/D#→G#m」の進行で、3つ目のコードがオンコードになって変化形ではありますが、いわゆる「4536」のコード進行です。

ピアノ、ストリングス、グロッケンやベル系の音で、キラキラしたアイドルソング感が感じられます。

歌が入ってきた2周目に「EM7→B/D#→A」と、♭ⅦであるAのコードが登場します。ノンダイアトニックコードで、次からの変化を予感させますね。

「C#/D#→D#」と繋がり、Aメロに入ります。このD#は次のキーのⅤ:ドミナントのコードですね。

Aメロ

イントロ最後のきっかけをもとに短3度下に転調して、キーはG#メジャー。

ピアノとキックがメインのシンプルなスタートで、2周目からベースやスネアをはじめ色々な楽器が入ってきます。

「G#→Cm/G→D#m/F#→F7」で、コードのルートの音(根音)が「G#→G→F#→F」と半音ずつ下がっています。F7のタイミングで、コード的には♭9であるF#の音がメロディで使われるのも大きなポイントです。

続く「A#m→Aaug→C#/G#」でも、ルートが「A#→A→G#」と半音ずつ下がります。例えば有名なカノン進行では半音ではなくスケールに従って下降していきますが、それとはまた違ったエモさのようなものを感じる進行だと思います。

Aメロ2周目は最初の小節で1拍目でブレイクが入って2拍目にアクセントがあったり、後半でコード進行が変わったりと変化があります。

特に、後半のコード進行はコードの変わる間隔も短くなるのが、展開感を生んでいると思います。

Bメロ

4つ打ちではなくハーフで大きくとるリズム、ウーアーのコーラスなど、場面転換がハッキリしたBメロの冒頭4小節。

1小節目と3小節目の4拍目に入るカスタネットも印象的だったり、コードも「Cm→Fm→Cm→Fm」(Ⅲm→Ⅵm→Ⅲm→Ⅵm)だったり、なんとなくザ・Bメロという印象がします。

その後4小節の「F#→F→A#m→C#m」は、F#(♭Ⅶ)、F(Ⅵ)、C#m(Ⅳm)と、ノンダイアトニックコード満載で、メロディも相まって切なさも感じられると思います。

特にサブドミナントマイナー:Ⅳmの威力が抜群ですね。

「A#m→Cm→C#→Dm7♭5→D#」と上行する形でサビ前の盛り上がりがあったのち、「D#→E→D#」という少し不思議にも聞こえる半音の進行を経てサビへ。

サビ

再び短3度転調して、キーはBメジャー。

短3度転調は珍しくないですが、この曲のBメロ→サビの転調のコード進行とメロディの感じは結構珍しい感じがします。唐突に世界が変わった感じがありますね。

サビでまず特徴的だと感じたのは、5度での跳躍を3回繰り返すメロディ。1小節目と3小節目、サビ後半も1小節目で登場しますが、キャッチーですよね。

コード進行はイントロでも登場した「4536」から始まる進行ですが、7,8小節目の「G#m→Gaug→F#m7→B」からサビ後半のEに繋がる流れは、コードが下降しながらキメにもなっていて印象的な進行です。

Ⅴm7:ドミナントマイナーであるF#m7を用いた「F#m7→B」は、その後のサビ後半のE…Ⅳ:サブドミナントから見たツーファイブワンの進行で、よく使われるノンダイアトニックコードです。

サビ後半の「4536」は、3であるD#mがGm♭5に、6であるG#mはG#になり、「E→F#→Gm♭5→G#」で綺麗な上行進行に変化しています。

ちなみに「4536」から3の変化だけ、または6の変化だけというのはかなり多い気がしますが、どちらも変わるのは少し珍しい印象です。

サビ前半で下降するコードのキメだった部分は「C#m→B/D#→E→Fm7♭5→B/F#」と上行系のキメになり、最後はサブドミナントマイナーのEmで締め括られます。

最後に

FRUITS ZIPPER『好き、お願い』をワンコーラス、細かく聴いていきました。

これまでも数多くの楽曲を手掛けている、「youth case節」みたいなものを随所に感じる楽曲だったと思います。

例えば分かりやすいところだと、この曲ではイントロからAメロにかけて「ⅦであるAコード」をポイントにBメジャーからG#メジャーに転調しますが、同じくyouth case作曲の乃木坂46『好きになってみた』のBメロからサビのBメジャーからG#メジャーへの転調も「ⅦであるAコード」をポイントにしていたりします。

ちなみに「作曲youth case × 編曲佐々木博史」という楽曲は、乃木坂46、櫻坂46に加えて、なにわ男子の楽曲で多く見られます。直近だと『NEW CLASSIC』が記憶に新しいですね。

FRUITS ZIPPERの楽曲を今後どのような作家が手掛けるのか、またyouth caseが今後どのようなアーティストの楽曲を手掛けるのか、その観点でも興味深い1曲だと思います。

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